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2013年9月19日 (木)

『嗤う伊右衛門』

Photo_2この夏読んでいちばん面白かったのはこの本。 とは言え、もうだいぶん前のことだから、細かい記憶は定かじゃない。

『四谷怪談』のアレンジ。

病気で顔半分ただれた岩。 けれど岩は動じない。 岩に、こんなことを言ってくれる人もいる。

___ 世間がお前様を嗤うのは、そのお顔の傷が醜いせいじゃあございませんぜ。そンな隠せば隠せるものを隠さねえ。飾りもしねえし恥ずかしがりもしねえ。そんな強エお前様が、世間は怖えんだ。怖えから嗤うんでさあ。もしお前様と同じ目に遭ったなら、そてもまともに生きちゃいられねえほどの、心細エ、意気地無しの小物ばかりでやすよ。

岩のところに養子に来た伊右衛門は、笑(×嗤)わない。 だけど岩のことを嫌いじゃない。 嫌いじゃないのに、岩は、そのことをなかなか信じられない。むしろ辛く当たる。伊右衛門はそれに耐え。。。 現代夫婦でもありそうな、すれちがい。

___ この家にまいられてから、すまぬすまぬと詫び言ばかり、聞き苦しゅうございます。主(ぬし)なら、威張りおれ。この醜き顔を嗤おうとも、ご勝手でございましょう。

___ 察するゆえに詫びたのだ。気にかけているがゆえに様子をうかがうのだ。それを取り上げて誹謗しておいて、何をいまさらそのように、察せよ気にかけよと申すか。

このふたりをやっかみ、権力にまかせて邪魔するヤツがいる。 伊藤喜兵衛。 彼の画策で、岩は伊右衛門から身を引き、我が家からも出ていく。 

___ なによりの妨げは妻たるこの岩。妻として夫が身を守り立てんがため、吾にただひとつできることは吾自身を消し去ることにございます。

伊右衛門は、喜兵衛の妾を妻にして、岩といた家に住む。 岩はそれでいいと思っていたのに、事はさらにこじれ、、、bomb、、、annoy

最後、桐箱の中、息絶えたふたりが向かい合って居る姿が目にうかぶ。 とてもグロテスクな場面なのに、うらやましくも思う。 

ま。一種のラブストーリかも。 ひとの心と ひとの心の絡みようは、それぞれ沢山。

___ 人の口を介して真実を知ることは難しい。誰がどのような思惑で語れども、言葉と言うものはそもそも半分は嘘なのだ。語り手がいくら真実を語ったつもりでも、語りは真実そのものではない。逆に、出鱈目な言葉を並べても、半分は本当になる。一から十までこしらえるのは至難の業だし、あまねくさかさまに述べたとて、そこが知れれば、嘘はまるごと実となる。 

ほうほう。

でね、読み終わった時に思ったんですけど、あの、皿を井戸で数える場面が出てこなかったんですよぉ~~。と、知り合いの人に言うと、そこはツッコマレた。 

おいおい。それはまたちがう話!

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