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2013年7月26日 (金)

『モンスターU子の嘘』

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U子とは詩子。 戦後に若き日を過ごした。元高級クラブのホステス・多数の有名人が集まる寿司屋のオーナー。 現行犯逮捕された賭博の女王。

彼女を知る男達が語るU子像は、たとえばこんなぐあい。

【刑事】「放っておけないんだ。不器用で騙されやすい損な性格なんだよ。みんなあの人を誤解している。したたかそうに見えて、すっごく純粋でな。意地っ張りだけど、ほんとはひとりじゃ立っていけない人なんだ。」

【新興宗教団体の主催】「一目見た瞬間、体中に電気が走った。僕らは正真正銘のソウルメイトなんです。きっと全盛でも浅からぬ縁があったんだ。」

【暴力団組長】「むしゃぶりつきたくなるようないい女なのに、まったく愛想がなかった。それも最初からツンケンしてるんじゃない。触れなば落ちん風情を漂わせながら、いざ近づくと突き放す。男にちやほやされてきただけじゃない。無頼のしたたかさを持っていて、まったく女にしておくのは惜しい器ですな。」

【高級クラブの元支配人】「英語が流暢で、頭の回転もとびきり早かった。お客様の話、肝心なところはちゃんと聞いていてときどき鋭い意見をはさむ。ごくたまに優しい言葉をかけたり、甘えてみたりもするんだ。」

【政財界の黒幕・思想家】「10代の頃は不良少女と呼ばれてもおかしくないような生活をしておったが、眼は少しも淀んでいなかった。ただ暗い光を放っておった。その暗さに妙に惹きつけられましてな。久しぶりに会った時は、その暗さが強さに転嫁し、あらゆることを吸収して糧にしていこうという意気に満ちていた。この少女になら大金を貸しても惜しくないと思い至りましてな。」

しかし、彼女を知る女達は、こう言う。

【元クラブホステス】「あたしはもうズタぼろ。あの蜘蛛女にあったのが運のツキさ。U子の甘い言葉に乗せられて吸い取られ、人生めちゃくちゃに狂っちゃったわ。ったく余計なこと(注射)まで教えられちゃってさ。方々で詐欺まがいのことやって、男たちから金巻き上げて、、、あいつに関わって消えていった女だってひとりやふたりじゃきかないよ。」

【元ホステス】「横田基地のGIとつきあってたから、ペラペラなのよ。でもピロートークに出てくるような英語しかわからないからって、一時どっかの大使館の男ともつきあってたわね。業界の専門用語いっぱい覚えてさ。重役に取り入って産業スパイまがいのことしては、貿易会社に情報流して、しこたま儲けてた。」

男も、女も、刑事の友達である‘私’も、皆、U子にうまくコントロールされ、利用されていくという話。

こんな人生、日々、将来の年金を皮算用してる私には無縁だな~、と思いながら読んでました。遠い世界だから面白くもありました。 

若い頃読んだ本に、男女関係なく、主人公への印象が全く違うというのがありました。だれの、なんていう本だったけか。。。。 『悪女について』? あ。有吉佐和子だflair。 そうだった。

最後に、U子の言葉。

「みんなそれぞれの立場で言いたいことを言うのよ。わかってくれる相手だけ真実を知ってくれたらそれでいい。毀誉褒貶など、虚心坦懐に接すれば案外面白い。」

なるほどthink。 

あたしゃ、それだけすわったハラが欲しい。

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