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2010年7月 9日 (金)

「長田弘 詩集」

先日の朗読公演で読んだ詩「最初の質問」を書いたのは、長田弘(おさだひろし)という方でした。 他の詩も読んでみたくて、図書館で詩集を借りてきました。

まだPhoto 全部に目を通してないんですけど。

そのなかのひとつ。

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        クロワッサンのできかた

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     むかしむかし、あるところに

     深い森の奥の、そのまた奥に、

     魔女が一人で気ままに暮らしていた。

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     ひとりでも淋しくなかった、忙しかったから。

     粉をこね、パンを焼く、クッキーを焼く。

     終日、ケーキづくりに余念がなかった。

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     家だってぜんぶ、手づくりのお菓子の家。

     床と柱はパンで、煙突はチョコレート、

     窓は白砂糖、壁はクッキーでできていた。

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     森の奥はいい匂いで、いつも一杯だった。

     ところが魔女は、いつでも腹ペコだった。

     パンは大嫌い。クッキーも、ケーキも大嫌い。

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     齢をとったもとったも、石のように齢とった

     魔女の大好物は、何だったとおもう?

     子どもだ。とらえて、ぐつぐつ煮て、食べる。

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     甘いおいしい家で、魔女はじっと待っていた。

     いつか子どもたちが森の奥に迷い込んできて、

     甘いおいしい匂いに誘われて、扉を叩くのを、

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     ところが、待っても待っても、誰もこなかった。

     それでも、魔女は毎日粉をこね、パンを焼き、

     そうして、どうしようもなく、腹ペコだった。

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     ある日、空腹のあまり、足元がふらついて、

     魔女は転んだ、どッとばかりパン窯のなかへ。

     バタンと窯の戸が閉まった。それでおしまい。

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     あとにはただ、魔女のかたちのパンだけがのこった。

     いつも腹ペコだった、パンつくりの名手の魔女の、

     鉤状の鼻のかたちしたパン__クロワッサン。

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コメント

pegaさん、いっつもコメントがすぐに入らなくてスミマセン。。 めげずにコメントよろしくです。 m( _ _ )m 
「初めの質問」とはまたちょっと違った空気の詩ですよね。

おさだ、だったかーー。 本文、訂正しましたpaper。 ありがとう。
チケットも、ありがとう。 楽しみだ~note

追加追加wink長田は「ながた」じゃなくて「おさだ」だよ。
帰國のチケット、取れました。前から10番目くらいのなかなかいい席だったよpaper

長田弘さんの詩、ちょっとブラックが入っていていいよね~。私も大好きshine

また、コメントが入らなくなっていますが、気にせず、書き込みます^^
「こわ~~~い」詩ですね^^

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